ロックン・ロールのパイオニア、ファッツ・ドミノ死去、享年89才

Published on

ロックン・ロールのパイオニア、ファッツ・ドミノが彼の地元ニューオリンズで2017年10月24日に亡くなった。享年89歳だった。

「Blueberry Hill」や「Ain’t That A Shame」といった曲で有名なファッツ・ドミノは、50年代にロックン・ロールという新しい音楽ジャンルの土台を作り上げ、エルヴィス・プレスリーからザ・ビートルズに至るあらゆる人に影響を与えた。

ファッツ・ドミノはピアノの演奏が有名だが、彼はサックスやギター、ドラムといった50年代初期にレコーディングで使用されていた楽器は一通り演奏できる程多才であった。彼がリリースした楽曲で全米トップ10ヒットは30曲以上あり、1955年までのレコード売上は500万枚以上を記録している。

1956年にエルビス・プレスリーがデビューしていきなりロックンロールの寵児となった時に彼はこう語っている。

「みんながロックン・ロールと呼んでるのは、リズム&ブルースだな。そんで俺はニューオリンズで15年以上それをやり続けてるよ」

音楽への貢献が称えられ、バディ・ホリー、ジェリー・リー・ルイス、リトル・リチャード、そしてチャック・ベリーといった他のパイオニアとともに、1986年に行われた第1回ロックの殿堂にて殿堂入りを果たしている。そしてそのちょうど30年後の2016年8月21日にはリズム&ブルースの殿堂入りも果たした。(リズム&ブルースの殿堂は2010年設立)。

最近では公の場でに現れることはほとんどなかったが、2005年ニューオリンズに壊滅的被害を与えたハリケーン・カトリーナが去ったあともそこで暮らす人々を描いたテレビ・ドラマ『Treme』(日本未公開)の2012年に放送されたシーズン3の第6話で本人役として出演している。ファッツ・ドミノはハリケーン・カトリーナで最も大きい被害を受けたロウワー・ナインス・ワード地区に長年暮らしていた。カトリーナがその地区を直撃する時には避難勧告も出たが、 その頃、彼の妻が病で伏せっており彼女の面倒をみるために避難ができなかった。1800人以上の死者がでており彼の安否が不安視されることもあったが、ファッツ・ドミノと妻はヘリコプターの救助隊に発見され生き延びることができた。

‘ファッツ’という芸名はジャズ・ミュージシャンのファッツ・ウォーラーやファッツ・ピチョンのようだということで、最初のバンド・リーダーだったビリー・ダイヤモンドに付けられた。そんな彼は友人や家族に見守られながら安らかに亡くなったと彼の娘、カレン・ドミノ-ホワイトが ニューオリンズの地元テレビ局に語っている。

Written By Jason Draper



ファッツ・ドミノ『They Call Me the Fat Man (The Legendary Imperial Recordings)』

   

 

Share this story

Don't Miss

{"vars":{"account":"UA-90870517-1"},"triggers":{"trackPageview":{"on":"visible","request":"pageview"}}}
モバイルバージョンを終了