タグ: JEEN-YUHS

  • 『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第3幕レビュー: 力を持ちすぎ精神の均衡を崩すという“予言”

    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第3幕レビュー: 力を持ちすぎ精神の均衡を崩すという“予言”

    約21年間に渡ってカニエ・ウェストを撮影した3部構成となるドキュメンタリー映画『jeen-yuhs: A Kanye Trilogy(邦題:jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作)』がNETFLIXにて2022年2月16日から3週にわたって公開となった(視聴はこちらから)。

    この3部作の第3幕「目覚め」について、ライター/翻訳家の池城美菜子さんにレビュー寄稿いただきました。

    <関連記事>
    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第1幕レビュー
    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第2幕レビュー

    カニエ・ウェストの新作アルバム『DONDA』徹底解説:6つのキーワードと10曲

    『jeen-yuhs: カニエ・ウェスト 3部作』第3幕ティーザー予告編 – Netflix

    自らを予言した「Power」の歌詞

    No one man should have all that power
    ひとりの男にそこまでの力を持たせてはいけない

    カニエ“イェ“ウェストの2010年「Power」のリリックである。2022年3月2日、彼のドキュメンタリー、NETFLIX『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』の最終章「目覚め(Awake)」を観ながらこのラインを思い出した。折りしも、ロシアで力を持ちすぎた男が世界中が止めるのも聞かずに、ウクライナに侵略している。優れたポップスの歌詞はときに現実の出来事を予言したり、シンクロニシティを起こしたりする。

    Kanye West – POWER

    「Power」はキング・クリムゾンの「21世紀のスキッツォイド・マン(精神異常者)」をサンプリングしている。また、このラインの元ネタは1960年代のブラック・リーダー、マルコム・Xの演説を見た警察官がマスコミに漏らした有名な感想を用いた、という説もある。カニエは最高傑作『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』をリリースした2010年の時点で、来たる2010年代に自分が力を持ちすぎて精神のバランスを崩すのを自ら予言してしまったのだ。

    トリロジー『jeen-yuhs / ジーニュース(genius / 天才、ジーニアスの言い換え)』は、第1幕「ビジョン」が生まれ育ったシカゴを離れてニューヨークでラッパーとして契約するまで、第2幕「使命」がロッカフェラ・レコーズに冷遇されてなかなかデビュー・アルバムが出なかった逆境をひっくり返し、2004年にグラミー賞の大量ノミネート、および2つ受賞するまでの軌跡を描いていた。ここまでは「天才カニエができるまで」とタイトルをつけたくなる成長譚であり、さわやかな青春物語、サクセス・ストーリーだった。

     

    成功後、乱気流のような生き様

    撮影したのは、同郷シカゴの映像クリエイター、クーディーとニューヨークにでてきてから手伝った元MTVのチケ・オザ。ナレーションを含めたスクリプトはクーディーとやはり同郷の詩人、J・アイビーだ。仲間たちに素の顔を見せるカニエは若く、エゴの塊の片鱗を見せてはいても共感しやすかった。第2幕「使命」の最後のほうでクーディーたちと距離ができる前兆が顕れていた。私たちはその後の乱気流のような彼の生き様をすでに知っているので、最終章をどう着地させるのか楽しみよりも心配が上回りながら、「使命」回を観終えた人も多かったはずだ。少なくとも、私はそうだった。

    セカンド・アルバム『Late Registration』で最優秀アルバムを逃すものの、最優秀ラップ・アルバムを受賞したグラミー賞のアフター・パーティーで、カニエが酔っ払ってクーディーの名前をまちがえる場面が、「目覚め(Awake)」回の展開を象徴している。

    自分から言い出したドキュメンタリーの企画を反故にしたのはあんまりであり、ダイハードなカニエ・ウェスト・ファンである私でも、彼のアメリカ大統領出馬を応援できないのは、「約束を守るつもりさえない」という性格が大きな理由だ。いつか大きな嘘をつくのが政治家だとしても、約束を守る姿勢くらいは持っていてほしい。売れてメディアに十分露出されるようになった彼は、映像クリエイターとしてほかの仕事を受注するようになっていたクーディーたちと袂を分つ。前回までは被写体であるカニエとの物理的、心理的な距離の近さがこのドキュメンタリーの魅力だったが、最終回はテレビを通した映像も増えてくる。

    それでも、カニエの周囲の人たちからの注文で、クーディーたちは貴重な記録をまばらながらも撮り続ける。大学教授だった母親、ドンダさんが息子と一緒にメディアに出るようになり、大物テレビ・ホストのオプラ・ウィンフリーの番組で「Hey Mama」を披露したり、キッチンで一緒にラップしたりするシーンは胸を突かれる。そのぶん、彼女が亡くなったあとのカニエの変容はきつい。クーディーとも6年ほど疎遠になり、テイラー・スウィフトのMTVアワーズの受賞スピーチ乱入事件などはコラージュで見せている。

    Beyonce Cried and Pink Chewed Out Kanye West After He Interrupted Taylor Swift's 2009 VMAs Speech

     

    カニエと疎遠になる監督

    高性能のカメラがついたスマホがある今とは異なり、当時は高画質の映像に日常を収めるのは簡単ではなかった点は指摘しておきたい。このドキュメンタリーを観ながら、思い出したことがあった。2009年、R&Bシンガーのライアン・レスリーにインタビューを一方的に撮影されたのだ。「日本の雑誌にインタビューされている俺」を写したかったらしいが、説明もなければこちらの許可を取る様子もなく、取材中はあきらかにカメラに向かって話していて戸惑った。19才でハーバード大を卒業した秀才で音楽の才能にも恵まれていたせいか、カニエ並みのナルシシストだったのだと思う。

    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』に写っているような00年代映像がたくさん残っているのは、撮られている側のカニエのナルシシズムと、クーディーたちの忠誠心の賜物なのだ。さらに方々に許可を取ってこのドキュメンタリーにまとめた仕事ぶりには、深く感謝したい。

    6年間のブランクのあと、クーディーが「自分でも彼に会いたいのかわからなくなった」と吐露する場面も辛い。ここでふたりを再び引き合わせたのが、カニエの兄貴分にあたるコモンであるのに安心したファンは多いのではないか。第1幕でちらっと映るだけで、シカゴ出身の彼があまり出てこないのが気になっていた。なにしろ、コモンの2005年『Be』と2007年『Finding Forever』という、名盤中の名盤のメイン・プロデューサーがカニエであり、どちらにもJ-ディラも深く関わっていた。J-ディラが亡くなった後にリリースされた『Finding Forever』は、カニエがディラに追悼の意を込めて彼のプロデュース方法を取り入れたため、ヒップホップ史においても重要な転換点になっている。

    Start The Show

     

    スターと一般男性の違い

    『jeen-yuhs』の最終章は、遡って2002年5月から2021年のサンデー・サーヴィスまでを網羅している。売れてからのカニエの軌跡を記録しつつ、7つ上の一般的な黒人男性としてのクーディーの人生と、スーパースターとしてのカニエの人生を交差させることで奥行きが出ている。

    年齢相応に父親として地に足がついた生活をおくるクーディーと、家族を持ちながら激しさを増していくカニエの差が意図していないぶん、強烈に伝わるのだ。華やかな『The Life of Pablo』のマディソン・スクエア・ガーデンでのリスニング・イベントでは、エイサップ・ロッキー、ビッグ・ショーン、プッシャ・Tなどが顔を出すなか、「Father Stretch My Hand Pt.1」でキッド・カディと飛び跳ねるカニエはほんとうに幸せそうで、つかのま癒された。

    jeen-yuhs: A Kanye Trilogy | Front Row At The Life Of Pablo Listening Party | Netflix

    キッド・カディとの『Kids See Ghosts』のレコーディング中に、精神の安定について本音で交わす会話は淡々としながらも衝撃的だ。撮影スタッフとしてではなく、自ら「ブラザー(兄弟のような友だち)」と言っているクーディーのカメラだからこそ捉えられた瞬間は多い。ファッション・デザイナーとしてのカニエ・ウェストに興味がある人にとっては、この回がもっとも興味深いかもしれない。YEEZYのスニーカーのデザインを決めるときに、精神安定剤の服用のせいで体重が増えてしまったのを気にして、すっきり見せるために流線型のデザインを取り入れたのは驚いた。東京で村上たかしのオフィスを訪ね、手描きのデザインを伝えるシーンも貴重である。

     

    彼自身がもっとも救いを必要としている

    ブラック・カルチャー特有の言い回しと、字幕のニュアンスが少しズレるときがあるのが惜しい(字幕を担当した人を責めているのではない。僭越ながら池城かそのニュアンスを知っている人間に聞いてほしかった)。たとえば、車中で今後の方向性について話し合っている場面。「I‘m straight」が「俺はまともだ」になっているが、これは「俺は大丈夫だ」という意味であり、「何かいる?」と聞かれたときに「いらない」という答えにも使う。

    トランプ元大統領に近づいたときの騒動も、クーディーの目線で語られるので救いがある。神への帰依、サンデー・サーヴィス(日曜礼拝)と銘打った移動型コンサート、『JESUS IS KING』でゴスペルを作り出すまでの流れ。「世の中をよくしたい」というカニエだが、その彼自身がもっとも救いを必要としているように見えるシーンも多い。そして、その救いの訪れをクーディーを含めた制作陣が強く祈っているのがわかるため、見る側の胸に迫るドキュメンタリーに仕上がっている。

    主役のイェことカニエ・ウェストが乱気流ライフが続いているため、『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』はオープン・エンディングになっている。このドキュメンタリーの好評ぶりを反映して、ストリーミング・サービスでカニエ作品の再生回数が伸びているそうだ。乱気流を起こしながらも、ビジネスマンとしてもかなり有能なカニエは、世間での受け入れられ方がまた変わったことを実感しているはず。願わくば、クーディーたちとの友情が続き、この続編が作られることを期待したい。

    Written By 池城美菜子(ブログはこちら

    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第1幕レビュー
    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第2幕レビュー
    カニエ・ウェスト『The College Dropout』解説:驚くべきデビューアルバム


    最新アルバム
    カニエ・ウェスト『DONDA (Deluxe)』
    2021年11月14日発売
    国内盤CD 2022年3月25日発売
    iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music



     

  • 『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第2幕レビュー:今も変わらない己の才能を信じる不屈の精神

    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第2幕レビュー:今も変わらない己の才能を信じる不屈の精神

    約21年間に渡ってカニエ・ウェストを撮影した3部構成となるドキュメンタリー映画『jeen-yuhs: A Kanye Trilogy(邦題:jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作)』がNETFLIXにて2022年2月16日から3週にわたって公開となっている(視聴はこちらから)。

    この3部作の第2幕「使命」について、ライター/翻訳家であり、当時のニューヨークに在住されていた池城美菜子さんにレビュー寄稿いただきました。

    <関連記事>
    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第1幕レビュー
    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第3幕レビュー
    カニエ・ウェスト『The College Dropout』解説:驚くべきデビューアルバム

    カニエ・ウェストの新作アルバム『DONDA』徹底解説:6つのキーワードと10曲

    『jeen-yuhs: カニエ・ウェスト 3部作』第2幕ティーザー予告編 – Netflix

     

    カニエの“使命”

    才能がぶつかり合う音がこぼれてくる。『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』の第2幕「使命(Mission)」を観ながら、そう思った。第1幕「ビジョン」では、プロデューサーとして高く評価されても飽き足らず、ラッパーとしての契約までを勝ち取るまでの苦戦が映し出された。第2幕では、2002年10月に契約を取りつけてから2004年2月に『The College Dropout』でデビューするまでを追う。地元シカゴから追いかけてきた映像ディレクターのクーディーとその仲間が捉える映像は20年経ったいまでも生々しい。

    実際、2002年の秋に遭った車の事故で負った怪我の治療の過程は、少し見せすぎである。顎が3つに砕けたため、矯正器具(ワイヤー)を外す手術まで映るのだ。冒頭に1990年、12才の元カニエ少年がてっぺんを斜めにカットするガンビー・ヘアーでラップする場面が出てくる。くりくりした瞳のカニエ少年が可愛すぎて、成長を見守る親戚のような錯覚に陥った。そして、大人になった彼が、顎の痛みに耐えながら曲作りも売り込みもやめない姿をつい応援してしまうのだ。至近距離で写された映像はそのまま観客の心理的な距離をも縮め、このドキュメンタリーを特別な作品にしている。

    Kanye West – Through The Wire

     

    カニエのラップを聴く者たちの反応

    『Blueprint 2』収録の「The Bounce」でのレコーディング中のジェイ・Zの前で、カニエがラップを聞かせる場面も貴重だ。「徐々にではなく、頭から感情を込めろ」とアドバイスするジェイ・Z。また、ジェイミー・フォックスのホーム・スタジオはハリウッド俳優の趣味とは思えないほど本格的で驚いた。ここでジェイミーに聴かせた「Slow Jamz」は早口ラップでギネス記録を持つトゥイスタのシングルになり、R&Bアーティストの名前を入れ込んだ歌詞がうけて大ヒットを記録。プロデュースをした特権で自らフィーチャリング・アーティストとなったカニエの知名度はますます上がった。ジェイミーは翌年、レイ・チャールズのバイオピック『Ray/レイ』で黒人男性として史上3人目のアカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞している。

    最初のハイライトは30分過ぎにくる。事故のせいでワイヤーをつけたままラップし、チャカ・カーンの名曲「Through the Fire」をもじった「Through the Wire」ができ上がる。それをレコーディング作業をしていたファレル・ウィリアムスに聴かせる場面だ。「ラッパーとしてもすごいんだな!」と興奮気味にファレルが絶賛し、成功を見越したかのように「売れてもいまの視点、ハングリー精神を忘れないで」と忠告するのだ。プロデューサー・チーム、ザ・ネプチューンズとして飛ぶ鳥を落とす勢いだったファレルと、前述のジェイ・Zはスタジオ内の立ち振る舞いがカッコ良すぎて、主役を食ってしまっている。

    私は「Through the Wire」をプロモーション盤(リリース前に関係者に配るレコード。12インチが多い)でもらい、早いうちから夢中になった記憶がある。雑誌bmrの2004年度の年間ベストに、ほかのアルバムを押さえてダントツの1位に選んでもいる。先見の明があったと言っているのではない。まったく新しいトラックと、口内を怪我しているため液体しか摂取できないと冒頭からラップするおもしろいリリックに反応した人は多かったのだ。それでも、ロッカフェラはカニエのデビューを優先させなかった。プロモーション・ビデオを自腹で作り、デフ・ポエトリー・ジャムにオーディション映像を送るカニエ。

    デフ・ポエトリー・ジャムは2002〜2007年まで続いたテレビ番組だ。デフ・ジャムのトップ、ラッセル・シモンズ肝入りで、スポークン・ワードを全身を使ってパフォーマンスする「スラム」に焦点を当てていた。『セックス・アンド・ザ・シティ』など尖ったドラマを多く放映していた有料ケーブル局のHBOが放映し、アミリ・バラカやリントン・クウェシ・ジョンソン、マリク・ヨセフなど本物の詩人も出演した。元モス・デフ現ヤシーン・ベイが司会を務めていたこの番組に、カニエは2004年から3年続けて出演している。

    Kanye West Recites "Self Conscious" at Def Poetry Jam [2004]

    今も変わらない己の才能を信じる不屈の精神

    第2幕「使命」回では、カニエの己の才能を信じる不屈の精神に圧倒される。カニエ・ウェストはデビュー前から変わっていないのだ。「Through the Wire」のコーラスに起用するクワイヤーはいまのサンデー・サーヴィス・クワイヤーのひな形だし、プロモーションのためにビデオの制作費用3万3千ドル(約350万円)を自腹で出し、パーティーを開く作戦も変わらない。規模こそ、何百倍にもなっているが。また、デビュー前のジョン・レジェンドを起用し、新しい才能の目の付けどころの確かさも伝わってくる。一方、バスケや野球のユニフォーム、2003年頃に流行ったジャマイカ・カラーの服、ジーンズの幅など出てくるファッションには時代を感じる。ジェイ・Zが手にしているT-Mobleのサイドキックはメッセージのやり取りが楽になるだけなのに300ドルくらいしたなぁ、とぼんやり思い出した。

    ニックネームのデーム・ダッシュと表記される、ロッカフェラ・レコーズのデーモン・ダッシュがなぜカニエを契約後、しばらく塩漬けにしたのか不思議に思う人もいるだろう。契約してからデビューまで時間がかかるケースは少なくなかった、という単純な理由がひとつ。ふたつめは、当時から彼の音楽的なセンスを疑う声があったから。ジェイ・Zの元マネージャーであり、2001年に飛行機の墜落事故で亡くなったR&Bシンガー、アリーヤのボーイフレンドでもあったデームは、非常に力を持っていた。『不倫の報酬(原題:Paid in Full)』などヒップホップ色の強い映画をプロデュースして野心も大きかったが、送り出す音楽の出来にはバラつきがあった。結局、2004年にジェイ・Zがデフ・ジャムの社長に就任してロッカフェラ・レコーズを完全吸収させ、さらにクロージング・ラインのロッカウェアも買い取って袂を分っている。この出来事は、カニエのキャリアにはプラスに働いたはずだ。

    このドキュメンタリー・シリーズではカニエの軌跡、00年代頭のヒップホップ・シーンを捉えているだけではなく、姿勢の柔軟さ、人をほめたり励ましたりといった人柄の大切さが垣間見られるのが興味深い。カメラの前というのもあるだろうが、本気でアドバイスするジェイ・Z、ほめまくるリュダクリスに元モス・デフ、曲の出来に感激を隠さないファレル、カニエのグラミー賞の大量ノミネートを素直に喜ぶ元パフ・ダディたちが温かいのだ。パフがカニエの母親、ドンダさんにていねいに挨拶する何げないシーンもいい。あと出しジャンケンをあえて出すと、成功する人ほど他の人の努力や功績を評価するし、態度も公平だ。これは、大物はインタビューの答えが真摯であることが多かったという、個人的な体験からも書いている。

    一方、売り出すまで必死なカニエの姿勢は清々しいものの、『The College Dropout』がリリースされ、予算が取れるようになった途端にクーディーに向かって「ハイプ・ウィリアムスとビデオを作る!」とはしゃぐ姿は、無邪気な分だけ残酷だ。ハイプは1998年にDMCとナズを主演にした映画『BELLY 血の銃弾』も監督した売れっ子の映像クリエイターで、彼と組みたかった気持ちは理解できる。だが、それを無名時代からともに行動してきた撮影隊の前で、この表情で言うのか、と驚いた。そして、至近距離でカニエを映してきたこのドキュメンタリーの転換点はここだろうと察した。

     

    DONDA 2

    2022年2月22日、このエピソードが公開された数時間前に『DONDA 2』の大掛かりなリスニング・セッションがマイアミのローンデポ・パーク・スタジアムで開催された。予定時間より(しかし予想通り)1時間半以上遅れ、とりあえずイェの鼓動は正常に脈打っていると全世界に知らしめたあと、冥王星と子どもの頃に住んでいた家を燃やすセットで主人公が登場。エグゼクティヴ・プロデューサーのフューチャー、ミーゴス、ベイビー・キーム、ジャック・ハーロウ、ソルジャー・ボーイ、フィヴィオ・フォーリン、アリシア・キーズ、ダベイビー、マリリン・マンソン、プレイボーイ・カーティなど大勢のフィーチャリング・アーティストが出て華やかではあったが、芸術性の高いセッティングとは裏腹にライヴパフォーマンスのクオリティは低かった。おそらく、準備が間に合わなかったのだろう。

    『DONDA 2』は既存のストリーミング・サーヴィスを使わず、200ドルのステム・プレーヤーでしか聴けないと発表された。これまでもプリンスなど既存の売り方では損をしていると反旗を翻したアーティストは存在したし、反骨精神をともなった商売上手とはいえる。『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』の第2幕は、最優秀ラップ・アルバムと最優秀ラップ・ソングを受賞した第47回グラミー賞でのスピーチで終わる。とことん勝ち気なスピーチと、真っ白い衣装のパフォーマンスでこの夜、カニエ・ウェストはヒップホップに疎いアメリカ人にもその名を轟かせた。

    翌年はジェイミー・フォックスとマーチング・バンドを率いて「Gold Digger」のパフォーマンスでグラミー賞を沸かせるのだが、カニエのイノセント時代はその辺りで終わる。来週の最終回は、辛い1時間半になりそうな予感がしてきた。そして、その予感を胸にしかたなくステム・プレーヤーをポチった。

    Written By 池城美菜子(ブログはこちら

    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第1幕レビュー
    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第3幕レビュー

    カニエ・ウェスト『The College Dropout』解説:驚くべきデビューアルバム



    カニエ・ウェスト『The College Dropout』
    2004年2月10日発売
    iTunes / Apple Music / Spotify / Amazon Music


    最新アルバム
    カニエ・ウェスト『DONDA (Deluxe)』
    2021年11月14日発売
    国内盤CD 2022年3月25日発売
    iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music



     

  • 『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第1幕レビュー:新しすぎたラッパーの生々しい誕生譚

    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第1幕レビュー:新しすぎたラッパーの生々しい誕生譚

    約21年間に渡ってカニエ・ウェストを撮影した3部構成となるドキュメンタリー映画『jeen-yuhs: A Kanye Trilogy(邦題:jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作)』がNETFLIXにて2022年2月16日から3週にわたって1部ずつが公開される(視聴はこちらから)。

    この3部作の第1幕「ビジョン」について、ライター/翻訳家であり、第1幕の舞台である当時のニューヨークに在住されていた池城美菜子さんにレビュー寄稿いただきました。

    <関連記事>
    カニエ・ウェストの新作アルバム『DONDA』徹底解説:6つのキーワードと10曲
    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第2幕レビュー
    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第3幕レビュー

    『jeen-yuhs』カニエ・ウェスト3部作 オフィシャル予告編 – Netflix

    『Donda 2』を前にまた暴走

    カニエ“イェ”ウェストが(また)騒々しい。2022年2月前半のヘッドラインを書き出そう。

    1. ビリー・アイリッシュに的外れな口撃を仕かける。ステージ上から観客の異変に気づいて対応したビリーを、昨年の惨事のときのトラヴィス・スコットと比べる声がネットで噴出。カニエはともに4月のコーチェラでヘッドライナーを務める予定のビリー本人になぜか謝罪を要求。大ひんしゅくを買う。
    2. 離婚調停中の元妻キム・カーダシアンのデート相手、コメディアンのピート・デヴィッドソンをSNSで攻撃。
    3. 自身はバレンタインデー前にデートをしていたモデル、ジュリア・フォックスと破局。
    4. 息子ふたりとスーパーボウル観戦(これはいいニュース)。
    5. バレンタインデーに元妻キム・カーダシアンにSNSで匂わせラブコール。
    6. ピート・デヴィッドソンとキッド・カディが友人であるため、『Donda 2』に参加させないと発信。カディは「お前みたいな恐竜のアルバム、こちらから願い下げだ」と答えたものの、騒動が広がるにつれて精神状態の不安定を示す内容をポスト。カニエは一転して「ずっと友だちだよ」と励ます‥。

    すべて約1週間の出来事である。以前であれば、カニエが騒ぎを起こすたびに「新作のプロモーションのためでは?」との憶測が飛び交った。今回も2月16日にNETFLIXのドキュメンタリー『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』の公開が、22日には『Donda 2』のリリースが控えていたタイミングではある。だが、カニエは炎上商法がいらない位置にいる。本人も周囲もむしろマイナスに働くのがわかっているはずだ。それでも止められない止まらないカニエ・ウェストの感情的な暴走。多くは「またか」と思い、ファンはただただ心配をするだけ。

     

    生々しい誕生譚

    本稿は『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』のレビューである。トリロジーに合わせ、3回のミニ連載だ。レビューには「おもしろいから観たほうがいいですよ」と勧める目的と、「観ましたよね? これ知っているともう少し深く理解できますよ」と補足する目的があると思う。本稿は、後者が強めだ。一応、「観たほうがいいですよ」の理由を記す。

    「天才 (ジーニアス;genius)」をヒップホップ流儀でスペルを変えた「ジーニュース」をタイトルにもつ本作は、最近増えた一歩まちがえるとほめ殺しになりそうな、アーティストをひたすらもち上げるドキュメンタリーとは一線を画しているのだ。

    理由はシンプル。昔の映像をあちこちから集めたのではなく、監督のクーディー(Coodie)がデビュー前からカニエと行動をともにして撮り溜めた映像なのである。編集されているとはいえ、荒めの映像は徹頭徹尾、生々しい。天才の誕生譚としてはこれ以上は望めないし、結果的に20年以上前のニューヨーク〜シカゴのヒップホップ・シーンの記録になっている。だから、NETFLIXに入っている人はすぐに、そうでない人はどうにか都合をつけて鑑賞して、それから戻ってきてもらえるとうれしい。.‥はい、ここからはネタバレを気にしないで書き飛ばします。

    ***

    ひとつのエピソードが約1時間半、合計で4時間半。ひとりのアーティストのドキュメンタリーとしては長い。だが、相手は過剰を善とするマキシマリストの元カニエ・ウェストである。紆余曲折が多すぎて短いくらいだが、1週間ごとにリリースしてくれるのは親切。初回「ビジョン」は1998年から2002年までの話だ。大学を辞めてニューヨークに単身乗り込んだカニエが、プロデューサーとしては順調に成功しながらも、本来の夢であるアーティスト契約を取りつけてラッパーとしてデビューするまで苦労する姿を追う。

    冒頭でスタンダップ・コメディアンだったクーディーが、自らを売り出すためにシカゴのパブリック・アクセスのテレビ番組「チャンネル・ゼロ」を始めたと明かされる。パブリック・アクセスはケーブルテレビの公共ローカル局を意味し、自分で番組さえ作れば安価で放映できた。たとえばブルックリンならイスラム教徒の教義を伝える番組のあとで地元のお店紹介の番組が流れるなど、手作り感満載でおもしろかった。

    チャンネル・ゼロの映像としてスヌープ・ドッグやNBAのコービー・ブライアントが出てくるが、出待ちなどをして突撃して撮影したはずだ。地元シカゴのヒップホップ・シーンを撮影しているうちに、クーディーたちはカニエと出会う。そして、アーティストとしては無名だった彼を追ってニューヨークに引っ越し、20年以上経ってこの奇跡のようなドキュメンタリーに結実したのだ。

     

    偉大な母親、ドンダさん

    ここでヒップホップ・クイズを。次の単語のうち、いくつわかるか試しに読み流してほしい。

    メイス&ハーレムワールド。ジャーメイン・デュプリ。クルーシャル・コンフリクト。ライムフェスト。ダ・ブラット。コモン。コンシークェンス。ノーI.D.。モス・デフ&タリブ・クウェリ=ブラック・スター。ロウカス。デーモン・ダッシュ。ロッカフェラ・レコーズ。ジェイ・Z。ジャスト・ブレイズ。ヒット・ファクトリー。メンフィス・ブリーク。ヤング・グールー。アーヴィング・プラザ。デフ・ジャム。スカーフェイス。ファレル・ウィリアムス。ビヨンセ。

    ひとつめのエピソードに出てくる、成人するかしないかの年齢だったカニエが行った場所、出会った人々だ。全部わかる人は年季の入ったヒップホップ・オタクのはず。

    その時々の流行りのファッションに身を包んだカニエ・ウェストの初々しさに、まずやられる。歯の矯正器具をつけたままで、自分の未来を予言する発言をするのだ。一方、「自己中心的」「自信家」「ナルシシスティック」「傲慢」「”イェ”と呼んでくれ」「神様」といった、現在でも彼にかんして有効なキーワードもすでに出てくる。

    インディーながら破竹の勢いがあったロウカスやキャピトル・レコーズとのデビューの話が進んでいたものの、最終的には契約に漕ぎつけられなかった場面。売り込むためにロッカフェラの社員たちの前でラップをいきなりかます場面。いまの成功を知っているからこそ微笑ましいが、地元で少し名前が売れただけでこの段階を突破できずに終わったラッパーも多かったはずだ。

    jeen-yuhs: A Kanye Trilogy | Kanye Raps In The Roc-A-Fella Offices | Netflix

    なんとかMTVの新人紹介の番組『You Hear It First』への出演が決まり、地元シカゴのイベントに戻ったカニエはしかし、師匠筋のプロデュ−サー、ダグ・インフィニットにラジオでディスられる。XXL誌のインタビューでプロデュース方法を習った話でノーIDしか言及しなかった、との理由だ。ヒップホップ・コミュニティでは顔を立てる、潰すといった話は深刻になりやすい。カニエは本人とも話し、地元のラジオのヒップホップ専門局でも説明するはめになる。ここで「ダグとは仲がいい」と弁明しつつも、最終的に「母さん以外の人間に借りはない」と本音をいうのだ。

    その足で母親のドンダさんに会いに行く、50分過ぎからの7分間がハイライトだ。カニエを慰め、励ます彼女の言葉が深い。「あなたはトラックの世界のマイケル・ジョーダンよ」。「巨人は自分を鏡に映せない」。大学でも教えていた彼女は、偉大すぎる母親である。ドンダさんの死後、カニエが激しく調子を崩した理由がこの数分で完全に理解できてしまう。

    機嫌を直した彼がジェイ・Zに「IZZO」のトラックを聴かせてレコーディングしたときの話を、かなり似ているものまねを交えて母親にする場面がすてきな分、泣けてしかたがなかった。この映像をいまのカニエはどんな思いで見るのだろう。そう思った。「IZZO」のフックが決まった瞬間、「We’re about blow up!」と言い合ったくだりの字幕がなぜか「キレちまうぞ」になっているが、「これは大ヒットするぞ!」という意味だ。

     

    カニエ・ウェストという名の、新しすぎたラッパー

    インタビューでの苦労話を語るくだりや、「Jesus Walk」の制作風景などほかにも見どころは多い。このエピソードに関しての解説はこれくらいにしておこう。この先は、少し感傷的な文章を書く。

    ちょうど『DONDA』日本盤 (3月25日発売)の歌詞対訳が終わったタイミングだったのもあり(31曲!)、威勢はいいのに部分的にとても脆いカニエという人間が少しだけわかったような気がしていた。それだけにこのドキュメンタリーを観ているあいだ、辛かったのだ。母親を亡くした云々で感情移入をしたのではない。私は、同じ時期に同じ場所にいた。前述のクイズに出てくる場所のほとんどに出入りしていたし、知った顔の裏方も数人見つけた。そして、このドキュメンタリーに出てくる多くの業界人同様、カニエ・ウェストの名前を耳にした2002〜2004年頃、プロデューサーとしては優秀だが、ラッパーとしてはたぶん大成しないだろうと思っていたのだ。『bmr(ブラック・ミュージック・リヴュー)』のコラム「Oh, My Bad」の文章にもそれが滲み出ていたはず。

    私が翻訳を担当した書籍『カニエ・ウェスト論』のあとがきに書いたので目撃談はくり返さないが、懺悔の念とともにつけ加えたいのは、彼がなかなかデビューできなかった理由はドキュメンタリーで説明するように「プロデューサー上がりだから」だけではなかったということ。カニエ・ウェストというラッパーは、新しすぎたのだ。サグ(チンピラ上がり)ではなく、知性で武装したコンシャス・ラッパーでもない。強いていえばネイティヴ・タンの系譜だが、彼らはアフロセントリックであったり、ジャズへの強い思いがあったりで賢かったし、なによりも落ち着いていた。

    カニエは変わった視点のおもしろいリリックを書くのだが、風刺が強くて冷笑的、そのくせ自分のこととなると妙に感情的で、居心地の悪さを与えた。新しすぎる、異質なものは警戒される。彼のラップをすぐに評価できなった理由を、滑舌や鼻にかかった声のせいに長年してきたが、たんに自分の凡庸さのせいだったといまになって思う。そのくせ、ずっと聴いてきたから、とさも理解者のような文章を書いているのだから、とんだ偽善者だ。これだけ成功して、広く作品を聴いてもらってカニエはなにが不満なんだろう、なんでいつも怒っているのだろう、と常々思っていた。でも、『jeen-yuhs カニエ・ウェスト 3部作』の初回を観ながら、取り巻く偽善に敏感に反応し続けているからだと、お前みたいな人間のせいだよ、と自分に突っ込んだ。なんかごめんなさい。エピソード2もエピソード3も懲りずにレビューを書くけど。次は交通事故の回になるらしい。

    Written By 池城美菜子(ブログはこちら

    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第2幕レビュー
    『jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作』第3幕レビュー

    *編註:以下の「Through The Wire」のビデオは本ドキュメンタリーの監督であるクーディーとチーケー(Chike)が監督したカニエ・ウェストのデビュー・シングルのミュージック・ビデオ。

    Kanye West – Through The Wire


    最新アルバム
    カニエ・ウェスト『DONDA (Deluxe)』
    2021年11月14日発売
    国内盤CD 2022年3月25日発売
    iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music



     

  • カニエ・ウェストの3部作ドキュメンタリー『jeen-yuhs: A Kanye Trilogy』が2月16日から3週にわたってNETFLIXで公開

    カニエ・ウェストの3部作ドキュメンタリー『jeen-yuhs: A Kanye Trilogy』が2月16日から3週にわたってNETFLIXで公開

    約21年間に渡ってカニエ・ウェストを撮影し、3部構成となるドキュメンタリー映画『jeen-yuhs: A Kanye Trilogy(邦題:jeen-yuhs カニエ・ウェスト3部作)』がNETFLIXにて2022年2月16日から3週にわたって1部ずつが公開されることが決定した(視聴はこちらから)。また、この3部作の第1幕「A Kanye Trilogy」は、デビッド・バーン監督の「アメリカン・ユートピア」を配給したIconic Events社によって2月10日から劇場公開されることも発表された。

    クーディ&チケとして知られるクーディ・シモンズとチケ・オザが共同監督を務めるこのドキュメンタリーの公式なあらすじは以下の通りだ。

    「20年間にわたって撮影された『jeen-yuhs: A Kanye Trilogy』は、カニエの経験を親密かつ明快に描いており、ブレイクしようとしていた彼の形成期と、世界的なブランドやアーティストとしての今日の生活の両方を紹介する」

    <関連記事>
    カニエ・ウェストの新作アルバム『DONDA』徹底解説:6つのキーワードと10曲
    【解説】ドレイク記録破りの新作アルバム『Certified Lover Boy』
    カニエ・ウェストと宗教、そして神:アルバム『JESUS IS KING』へ至る道

    jeen-yuhs: A Kanye Trilogy | Official Teaser | Netflix

     

    Iconic Events Releasing社のCEOであるSteve Bunnellはこうコメントしている。

    「今日の音楽ファンや学生にとって、このドキュメンタリーは必見のイベントであり、最新のサウンドシステムを備えた映画館で体験すべきものです。過去20年間、カニエ・ウエストほど世界の大衆文化に大きな影響を与えたアーティストやビジネスマンはほとんどいません。”jeen-yuhs “は、彼の世界に貴重で説得力のある洞察を与える映画です」

    このドキュメンタリー映画は、21年間に渡ってウエストを追ったものでラッパーがブレイクしようとしていた初期の頃から、ヒップホップのアイコンとなり、成功したビジネスマンになるまでが描かれている。

    ドキュメンタリーの監督をつとめるクーディ・シモンズとチケ・オザは、2003年に発売されたウエストのデビューシングル「Through The Wire」や、2004年の「Jesus Walks (3rd version)」のミュージックビデオでカニエと仕事をしたことがある。彼らは、これらのプロジェクト以来、スターの舞台裏の映像を集めることに時間を費やしてきた。この二人が過去に手がけたドキュメンタリー作品には、シカゴのバスケットボール選手ベン・ウィルソンの殺人事件を描いた2012年の『Benji』や、NBA選手ステフォン・マーブリーの人生とキャリアに焦点を当てた2019年の『A Kid From Coney Island』などがある。

    今回のドキュメンタリー『jeen-yuhs: A Kanye Trilogy』では、ウエストの2020年の大統領選出馬や、最新アルバム『Donda』の名前の由来となった母ドンダ・ウエストの死についても触れるという。

    Written By Will Schube


    最新アルバム
    カニエ・ウェスト『DONDA (Deluxe)』
    2021年11月14日発売
    iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music