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米ロック・シンガーのミート・ローフが逝去:“地獄のロック・ライダー”の功績を辿る

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Meat Loaf - Photo: Keystone/Getty Images

アメリカで史上最も売れたアルバムのひとつであるアルバム『Bat Out of Hell(地獄のロック・ライダー)』を送り出し、伝説的カルト映画『ロッキー・ホラー・ショー』でエディを演じた米国の歌手・俳優のミート・ローフ(Meat Loaf)が2022年1月20日に亡くなった。享年74歳だった。ミート・ローフの家族は、声明の中でこう伝えている。

「今夜、比類なきミート・ローフが、妻のデボラ、娘のパールとアマンダ、そして親しい友人たちに囲まれて逝去したことをお伝えしなければいけないことに、心を痛めています。彼は全世界で1億枚以上のアルバムを売り上げ、60年に及ぶ素晴らしいキャリアの中では『ファイト・クラブ』『フォーカス』『ロッキー・ホラー・ショー』『ウェインズ・ワールド』など65本以上の映画に出演しました。また、アルバム“Bat Out of Hell”は、今でも歴代のアルバムの中でトップ10に入る売り上げを誇っています」

「私たちは、彼が多くの皆様にとってどれほど大切な存在であったかを存じています。このような感動的なアーティストであり、美しい男性を失った悲しみの時期を過ごすにあたり、皆様の愛とご支援に心から感謝いたします。また、私たちのプライバシーにご理解いただきまして、ありがとうございます。そして。彼の心から皆さんの魂へ…Don’t ever stop rocking!」

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『Bat Out of Hell』シリーズの大ヒット

ソングライター兼プロデューサーのジム・スタインマンが作曲・プロデュースし、1977年に発売されたミート・ローフの代表アルバム『Bat Out of Hell』は、全米レコード協会によると米国史上最も売れたアルバムのひとつであり、これまでに1,400万枚の売り上げを記録。収録楽曲であるシングル「Two of Three Ain’t Bad」と「Paradise by the Dashboard Light」は、ビルボードホット100でそれぞれ11位と39位にランクインし、2018年にプラチナ認定を受けた。

「Paradise by the Dashboard Light」は、海外の法廷コメディドラマ『Night Court』のシーズン1に出演していたエレン・フォーリーとのデュエット曲だ。その後、彼女はミート・ローフとツアーを行った。このアルバムは、全英アルバムチャートでは522週(10年間)にわたってランクインを記録した。

Meat Loaf – Two Out Of Three Ain't Bad (PCM Stereo)

ミート・ローフとジム・スタインマンは、1993年に発売されたシリーズ続編アルバム『Bat Out of Hell II: Back Into Hell』でもコラボレーションを行い、この作品もアメリカだけで500万枚以上の大ヒット売り上げを記録した。このアルバムのリード・シングル「I’d Do Anything for Love (But I Won’t Do That)」は、1993年後半に5週間にわたって1位を獲得し、ミート・ローフにとって最大のヒット曲となった。この曲は全英チャートでもトップになり、ミート・ローフはグラミー賞のベスト・ロック・パフォーマンス・ソロを受賞している。

他のアルバムを含めてミート・ローフは、全世界で1億枚以上のアルバム売り上げている。『Bat Out of Hell』シリーズ以外では、1980年代に発表した『Dead Ringer』と『Bad Attitude』ではアメリカではそこそこのヒットを記録し、1995年に発表した『Welcome to the Neighborhood』はトップ20入りを記録して、プラチナ・ディスクを獲得している。

また2007年にはシリーズ第3弾となる『Bat Out of Hell III: The Monster Is Loose』を発売し、UK3位、全米8位とヒットを記録している。

Meat Loaf – I'd Do Anything For Love (But I Won't Do That) (Official Music Video)

映画『ロッキー・ホラー・ショー』

ミート・ローフは『Bat Out of Hell』を発売する前には、1975年に公開されたミュージカルの映画版『ロッキー・ホラー・ショー』で、ワイルドで不運な元配達員のエディを演じ、ハードロック・ナンバー「Hot Patootie」を歌い印象を残した。スーザン・サランドンやティム・カリーも出演したこの映画は、永遠のカルト・クラシックとなっており今もなお愛されている。サウンドトラックもトップ50に入り、ゴールド・ディスク認定を受けている。

彼は俳優としては『ローディー』『モトラマ/5億ドルを狙え!』『クレイジー・イン・アラバマ』『奇跡を呼ぶ男』『ファイト・クラブ』といった映画にも出演。また、2017-18年に放送されたドラマシリーズ『ゴースト・ウォーズ』にも出演している。

ミート・ローフは生前、『Bat Out of Hell』の第4弾の可能性を聞かれたときには次のように語っていた。

「どうなのかな、これが最後になるかもしれない。『Bat Out of Hell』のようなアルバム作りに関わっていると、それが原動力となって俺も凄くやる気が出るんだが、今のところ、もう1枚作るなんてことは考えられないな」

Written By Tim Peacock



 

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