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カーペンターズのキャリア後半を代表するトラックが収録された『A Kind of Hush / 見つめ合う恋』

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カーペンターズが1967年発表のハーマンズ・ハーミッツのヒット曲「There’s A Kind of Hush(邦題:見つめあう恋)」をカヴァーすると、1976年4月のUSシングル・チャートのトップ20にランクインされ、デビューから6年弱にして16枚目のUSトップ20シングルとなった。数ヶ月後の6月にリリースされた7枚目となるスタジオ・アルバム『A Kind of Hush(邦題:見つめあう恋)』には、カーペンターズのキャリア後半を代表するトラックが収録されていると同時に、いつもと変わらないリチャードとカレンのハーモニーも健在である。

アルバムの代表曲のひとつとしてランディ・エデルマンが作曲を手掛けたバラード「You」が収録されている。ニュージャージー州生まれのシンガーソングライターのエデルマンは、ユニット4+2の1960年代のヒット曲「Concrete and Clay」をカヴァーし、突破口となるヒットとなった。カーペンターズの「You」がリリースされた数ヶ月後、エデルマンのヴァージョンはUKチャートで地味にヒットした。

『A Kind of Hush』には後にバリー・マニロウがカヴァーしたトラックが含まれている。クリス・アーノルド、デヴィッド・マーティン、そしてジェフ・モローが共作した「Can’t Smile Without You(邦題:微笑の泉)」のマニロウ・ヴァージョン(*訳注:マニロウのヴァージョンの邦題は「涙色の微笑」)は1978年のUSチャートのトップ3にランクインされ、そのすぐ後にはエンゲルベルト・フンパーディンクなどのイギリス人アーティストたちがカヴァーをした。

『A Kind of Hush』の目玉である名作「I Need To Be In Love(邦題:青春の輝き)」は、リチャード・カーペンター、アルバート・ハモンド、そしてリチャードと何度も共作してきたジョン・ベティスが作曲した、このエレガントなラヴ・ソングはUSチャート25位よりももっと高いランキングになっても良かったと思う。

3枚目のシングル「Goofus」はUSシングル・チャートでは中位のランキングではあったもののイージーリスニング・チャートではヒットとなり、戦前の貴重なトラックのカヴァーであった。ウィリアム・ハロルド、ガス・カーン、そしてウェイン・キングによって作曲され、1931年にウェイン・キングのヴァージョンがトップ10入りを果たし、次の年には4人のアーティストがカヴァーをしてチャートに登場した。

過小評価されたルイス・アンダーソンのバラード「One More Time」、アーティストで作曲家のジャッキー・デシャノンの「Boat To Sail(邦題:夢の小舟)」、そしてカーペンターとベティスの共作「I Have You(邦題:愛のキャンドル・ライト)」もアルバムに収録されている。アルバムの最後に収められているニール・セダカの1962年の大ヒット曲「Breaking Up Is Hard To Do(邦題:悲しき慕情)」は時代に合わせてカヴァーされている、そして、その数ヶ月前にはセダカ本人もバラードとしてセルフ・カヴァーをしてUSチャートのトップ10にランクインしている。

『A Kind of Hush』はUSとUKの両方でゴールド・ディスクを獲得し、1976年の6月にトップ3の位置についてから翌年の頭までずっとチャート入りを果たしている。


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