アビイ・ロードで行われた『Sgt. Pepper』リミックス試聴会

4月 11, 2017


アビイ・ロードで行われた『Sgt. Pepper』リミックス試聴会

長く待たれていた 『Sgt Pepper’s Lonely Hearts Club Band』のリミックスの試聴会が4月10日に行われた。ザ・ビートルズが大半の楽曲を録音したロンドンのアビイ・ロード・スタジオでサー・ジョージ・マーティンの息子、ジャイルズ・マーティンは、この作品は間違いなく、彼にとって最も重要な作品のひとつであることを明かした。

『Sgt. Pepper』 の大部分が作られたスタジオ2に腰掛け、オリジナルの4トラック・テープから新しいミックスを作り出すことが、彼と彼の共同作業者サム・オケルにとって、いかに骨の折れる作業だったかを語った。「テープを調査しているとき、気力がくじけそうになったよ」と認めながら、「僕らは非常に慎重だった。長い時間をかけたし、本当に勤勉だったよ」と続けた。オリジナル・テープに触れ、「層をはぎ取り、再構築した」と語った。

「僕らはモノのステレオを作るということを意図していたんだ」とジャイルズは語る。ザ・ビートルズに関する限り、1967年のオリジナル・モノ・ミックスこそが『Sgt. Pepper』 であると注意していた。「15歳のころから父と一緒に作業をしてたんだ」とジャイルズは続ける。「 だから、彼がどのように感じていたかはよく知っている。そしてバンドもね」。

Giles Martin At Abbey Road Discussing Sgt Pepper Remix

ジャイルズ・マーティン (左)、アビイ・ロードにて。『Sgt. Pepper』のリミックスについて論じている

この作業を“発見の長い旅路”と述べ、それにはまっていたジャイルズは、「このテープを聞いたとき、鮮やかな音とパンチがあった、それを皆さんにも聞いてほしいと思った」と力説した。

uDiscoverを含む招待者のみの観衆を前にした試聴会に基づくと、ジャイルズは、疑いの余地なく、そのミッションに成功したといえるだろう。オープニングのタイトル・トラックから、アルバムの音がスピーカーから流れだす。『Sgt. Pepper』はいつもその革新的なスタジオ技術がさけばれがちだが、新しいミックスからはバンドがともに演奏する意義/感覚が伝わってくる。そしてそれだけでなく、彼らの初期のハンブルクにおけるクラブ演奏の日々や、激しくジャムしていた時代を思い起こさせるのだ。

Beatles Sgt Pepper's Piano

「ザ・ビートルズについて僕の心をうったことは、彼らが非常に熱心だったことだ。彼らは決して静かにプレイしたりしない」とジャイルズは語った。とはいうものの、 「She’s Leaving Home」のように新しいやり方で考察されたものもある、ストリングスのアレンジは活気にあふれており、ザ・ビートルズは67年の彼らと同じぐらい若い音楽家たちと驚くべき精密さをもって演奏している。

その他に、「Lucy In The Sky With Diamonds」は広がり以上のものをみせている―どっぷりとつかることができ、まさに、曲のとおり、大空の上にいる以上の感覚だ。同じく, ジョージ・ハリスンの「Within You Without You」では、東洋の楽器と西洋のストリングスの統合はかつてないほど道理にかなっており、曲をとおして脈打ち続けるパーカッションは、曲自体に命を与えている。もう一方で印象に残るのは、 「Being For The Benefit Of Mr Kite!」のあふれんばかりのカラフルさである。まるで頭の中で大きなテントが立てられ、そこからサーカスが飛び出してくるような感覚だ。

Beatles A Day In The Life Piano

アビイ・ロード・スタジオ2/ザ・ビートルズが「A Day In The Life」の最後のコードを弾いたピアノ

そして、「A Day In The Life」。ジャイルズは、この曲には苦労したことを認めている。「実のところ3回もミックスしたんだ。大きな音にしなくてはならない、だけど「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (Reprise)」から出てきた感じにしないといけない。正しい感覚を得るのは非常に難しかったよ」。 ジャイルズだけではなくサム・オケルもそれを完璧にとらえていた。そして、今まで以上に最後のコードの音を広大なものとし、オリジナル・レコーディングをより鮮やかなものにした。 ときに、 ジョン・レノンポール・マッカートニー の典型的な曲に思われがちだが, 新しいミックスは リンゴ・スターが完璧にそのドラム・フィルを叩き、激しく演奏していたかをあらわにしている。

ジャイルズは、『Sgt. Pepper』を彼の父親とザ・ビートルズの“コラボレーションの頂点”と呼び、ジョージ・マーティンのことを“ザ・ビートルズが投げてくるものを、すべてフィルターに通してディスクに落とし込む巨大な漏斗”と称した。

そして、新しいミックス音源と同じぐらい素晴らしく、「テープの音が素晴らしかったから、50年前に彼らがやってきたことの評価を高めることができた。 非常に鮮やかなものになっているよ。ザ・ビートルズのサウンドは決して古くはならない、なぜならその作品が決して古くはならないから」とすばやく付け加えた。

ジャイルズ自身が述べたように、それが『Sgt. Pepper』が“すべての世代に反響するアルバム”といわれる理由の一部であろう。彼の仕事、それ自体は、彼が見ていたように、“音をよくする”というものではなく、“感じられるようにする”ということだ。「すべて愛についてなんだよ」「作品への愛、そして音楽への愛だね」と彼は語った。

まさに、“サマー・オブ・ラヴ”の始まりにふさわしい、“サマー・オブ・ラヴ”の最高傑作といえるだろう。


『The Sgt Pepper’s Lonely Hearts Club Band』の50周年記念盤は5月26日に発売。予約はこちら

ザ・ビートルズの特設サイトはこちら


50周年記念エディションの詳細はこちら

通常盤 1CD:
CDには新たな『サージェント・ペパー』のステレオ・ミックス。
オリジナルのイギリス盤の「Edit for LP End」(LPの溝の最後の部分)も収録。

2枚組CD及びデジタル:
1枚目のCDは、新たにステレオでミキシングされたアルバム。
2枚目はアルバム収録の13曲の未発表の完全テイクを含む18曲を新たにステレオでミキシングして、アルバムと同じ曲順に並べたCD。2枚目のCDには、新たにステレオでミキシングされた未発表の「ペニー・レイン」のインストゥルメンタル・ヴァージョンと2015年のステレオ・ミックス、そして未発表の「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の完全な2テイクも収録。

2枚組LP:
180グラムの2枚組LPには、新たにステレオでミキシングされたLPアルバム。
2枚目のLPはアルバム収録の13曲の未発表の完全テイクを新たにステレオでミキシングして、アルバムと同じ曲順に並べたものを収録。

スーパー・デラックス・ボックス・セット:6枚組のボックス・セット:
CD1: 新たにステレオでミキシングされたアルバム
CD2: & CD3:
*スタジオ・セッションでレコーディングされた33曲。ほとんどが未発表で、初めて4トラックのセッション・テープからミキシングしたもの。レコーディングの日付通りの曲順で収録。
*「ペニー・レイン」の新たなステレオ・ミックス、そして2015年にステレオ・ミックスした「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」も収録。
CD4:
*アルバム・オリジナルのモノラル・ミックス、及び「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」と「ペニー・レイン」のシングル音源からダイレクト・トランスファーしたもの。
*キャピトル・レコードがアメリカでのプロモーション用に制作したモノラル・シングル・ミックスの「ペニー・レイン」
*「シーズ・リーヴィング・ホーム」、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」、そして「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」の未発表の初期のモノラル・ミックス。(このミックスは、1967年にテープから消去されたと思われていたが、アニヴァーサリー・エディション用にアーカイヴを探した際に発見された)
ディスク5&6(ブルーレイ&DVD)
*ジャイルズ・マーティンとサム・オケルの手によるアルバム、及び「ペニー・レイン」の新たな5.1サラウンドのオーディオ・ミックスと、同じく彼らが2015年に手がけた「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の5.1サラウンド・ミックス。
*アルバムと「ペニー・レイン」の新たなステレオ・ミックスのハイレゾ音源と、2015年にステレオ・ミックスされた「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」のハイレゾ音源。
*映像:「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」、「ペニー・レイン」そして「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のオリジナル・プロモーション・フィルムの4K復元版。
及び未発売のドキュメンタリー映画(1992年放映)の復元版。ドキュメンタリーではマッカートニー、ハリスン、そしてスターへの突っ込んだインタヴューがフィーチャーされている。
また、ジョージ・マーティンがスタジオ内での様子を紹介

 

<スーパー・デラックス・ボックス・セット収録内容>
ディスク1
*1CDと同内容:『サージェント・ペパーズ』2017 ステレオ・リミックス

ディスク2
*セッションからのコンプリート・アーリー・テイクをレコーディングの年代順に収録
01. ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(テイク1)
02. ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(テイク4)
03. ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(テイク7)
04. ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(テイク26)
05. ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(ステレオ・ミックス2015)
06. ホエン・アイム・シックスティ・フォー(テイク2)
07. ペニー・レイン(テイク6 – インストゥルメンタル)
08. ペニー・レイン(ヴォーカル・オーヴァーダブズ・アンド・スピーチ))
09. ペニー・レイン(ステレオ・ミックス 2017)
10. ア・デイ・イン・ザ・ライフ(テイク1)
11. ア・デイ・イン・ザ・ライフ(テイク2)
12. ア・デイ・イン・ザ・ライフ(オーケストラ・オーヴァーダブ)
13. ア・デイ・イン・ザ・ライフ(ハムド・ラスト・コード)(テイク8、9、10 & 11)
14. ア・デイ・イン・ザ・ライフ(ラスト・コード)
15. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(テイク1 – インストゥルメンタル)
16. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(テイク9・アンド・スピーチ)
17. グッド・モーニング・グッド・モーニング(テイク1 – インストゥルメンタル、ブレイクダウン)
18. グッド・モーニング・グッド・モーニング(テイク8)

ディスク3
*セッションからのコンプリート・アーリー・テイクをレコーディングの年代順に収録
01. フィクシング・ア・ホール(テイク1)
02. フィクシング・ア・ホール(スピーチ・アンド・テイク3)
03. ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト(スピーチ・フロム・ビフォア・テイク1、テイク4・アンド・スピーチ)
04. ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト(テイク7)
05. ラヴリー・リタ(スピーチ・アンド・テイク9)
06. ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ(テイク1・アンド・スピーチ・アット・ジ・エンド)
07. ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ(スピーチ、フォールス・スタート・アンド・テイク5)
08. ゲッティング・ベター(テイク1 – インストゥルメンタル・アンド・スピーチ・アット・ジ・エンド)
09. ゲッティング・ベター(テイク12)
10. ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー(テイク1 - インディアン・インストゥルメンツ・オンリー)
11. ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー(ジョージ・コーチング・ザ・ミュージシャンズ)
12. シーズ・リーヴィング・ホーム(テイク1 – インストゥルメンタル)
13. シーズ・リーヴィング・ホーム(テイク6 – インストゥルメンタル)
14. ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ(テイク1 – フォールス・スタート・アンド・テイク2 )
15. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(リプライズ)(スピーチ・アンド・テイク8)
ディスク4 『サージェント・ペパーズ』モノ・アルバム&ボーナス・トラック
*Tracks 1-13:『サージェント・ペパーズ』オリジナル・モノ・ミックスからの2017ダイレクト・トランスファー
01. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
02. ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ
03. ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ
04. ゲッティング・ベター
05. フィクシング・ア・ホール
06. シーズ・リーヴィング・ホーム
07. ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト
08. ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー
09. ホエン・アイム・シックスティ・フォー
10. ラヴリー・リタ
11. グッド・モーニング・グッド・モーニング
12. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(リプライズ)
13. ア・デイ・イン・ザ・ライフ
-ボーナス・トラックス-
14. ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(オリジナル・モノ・ミックス)
15. ペニー・レイン(オリジナル・モノ・ミックス)
16. ア・デイ・イン・ザ・ライフ(未発表・ファースト・モノ・ミックス)
17. ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ(未発表・オリジナル・モノ・ミックス – No.11)
18. シーズ・リーヴィング・ホーム(未発表・ファースト・モノ・ミックス)
19. ペニー・レイン(キャピトル・レコーズ・U.S.プロモ・シングル・モノ・ミックス)

ディスク5 & 6 【ブルーレイ&DVD 】
オーディオ
●『サージェント・ペパーズ』アルバム&「ペニー・レイン」最新5.1サラウンド・オーディオ・ミックス
プラス「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」2015年5.1サラウンド・オーディオ・ミックス
【ブルーレイ:DTS HDマスター・オーディオ5.1、ドルビー・トゥルーHD 5.1
/DVD:DTS、ドルビー・デジタル5.1】

●ハイレゾ・オーディオ:『サージェント・ペパーズ』アルバム&「ペニー・レイン」,2017年ステレオ・ミックス、プラス「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」2015年ステレオ・ミックス
【ブルーレイ:LPCMステレオ 96KHz/24bit/DVD:LPCMステレオ】

映像
●ザ・メイキング・オブ・サージェント・ペパーズ(リストアされた1992年ドキュメンタリー・フィルム)
~ポール、ジョージ、リンゴ・アンド・ジョージ・マーティンが明かすアルバム制作秘話

●プロモーショナル・フィルムズ:4Kリストア
ア・デイ・イン・ザ・ライフ(1967)
ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(1967)
ペニー・レイン(1967)

 

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