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最高のジャズ・ギター・アルバム75枚

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Greatest Jazz Guitar Albums

ジャズ・ギタリストは、どういうわけか、彼等に相応しいだけの注目を浴びていない。ギタリストはリズム・セクションの一部として、センター・ステージに立つリード・インストゥルメントではなく、サウンドに寄り添い空間を埋める楽器だと見られる傾向が強かったビッグ・バンドの時代に、全ては遡るのかも知れない。自らのエレキ・ギターの演奏を駆使しながら、この楽器をサイド・ステージからセンター・ステージへと持っていく手助けをしたのは、ベニー・グッドマンのバンド・メンバーだったチャーリー・クリスチャンだ。チャーリー・クリスチャンがベニー・グッドマンのバンドとレコーディングした「Solo Flight」は、ジャズ・ギターにとって重大な瞬間になった。

チャーリー・クリスチャンより以前にギターをよりポピュラーにしたのは、素晴らしく洗練されたプレイで知られるエディ・ラングだ。その他カウント・ベイシーと数十年間に渡ってプレイしたフレディ・グリーンや、ルイ・アームストロングとプレイしたロニー・ジョンソンがギターを世に広めた人物として挙げられる。ヨーロッパではジャンゴ・ラインハルトがシングル・ライン・メロディーでプレイし、この楽器の注目度を高め、この後に続くプレイヤーに多大な影響を与えた。

1948年にフェンダーが初のソリッド・ボディ・エレクトリック・ギターを作り、その数年後にギブソンがレスポールを世に送り出した。1950年代とその後のジャズ・ギタリストの多くはホロウ・ボディ・ギターをプレイした。タル・ファーロウもその中のひとりで、その滑らかなシングル・ノート・ボップ・スタイルのギターは大評判となった。それからハワード・ロバーツ、ハーブ・エリス、ケニー・バレル、バーニー・ケッセルは、ボップとシングル・ノート・ピッキングを、そして特にケニー・バレルはブルースとジャズを結びつけたことで知られる。クラシックの教育を受けているジム・ホールは、ジャズ・ギターを別の方向へ持っていき、その他の例えばパット・マルティーノは、そのスタイルに磨きをかけるのに貢献した。

そうしてウェス・モンゴメリーが登場、1958年のデビュー・アルバム『Riverside』はジャズ・ギターにとって新たな夜明けをもたらした。ジャズの演奏と表現を追求するギタリストであり、1968年に45歳という若さで悲劇的な最期を迎えたウェス・モンゴメリーに、インスパイアも影響も受けていない人はいないだろう。

1960年代ロックの到来で、ジャズ界のギタリストの中には、金になる舞台という理由で、より若いファンに愛されていたこの音楽をフォローし始めた者もいたかも知れない。それでもロックにインスパイアされたジャズ・ギタリストのラリー・コリエルやジョン・マクラフリン等はフュージョン・スタイルをつくりだし大評判になった。マイク・スターン、ジョン・スコフィールド、パット・メセニー等のミュージシャンが彼等の後に続いた。同時にアコースティック・ギターもまた、ジョー・パス、アル・ディ・メオラ、アール・クルー、ラルフ・タウナー、そしてこの少し後に続くアコースティック・アルケミー等のミュージシャンの好みの楽器であり続けた。

1960年代初期、ジャズは南米のリズムの影響を受け、それまでジャズがあまり好きではないと思っていた層の人々にもこのジャンルの魅力が伝わっていった。『Getz/Gilberto』は画期的なアルバムだったし、これに先立ちチャーリー・バードの『Jazz Samba』、ブラジリアン・ギタリストのアントニオ・カルロス・ジョビン、ルイス・ボンファ、それからジョアン・ジルベルトはみんな長きに渡り人々をインスパイアし続けた。

アメリカがジャズ・ギタリストの中心地であり続ける一方、ハンガリー人のガボール・ザボ、イギリス人のアラン・ホールズワース、フィリップ・カテリーン、マーティン・テイラー、イタリア人のアントニオ・フォルチオーネ、それからフランス人のビレリ・ラグレーン等々、海外出身者で有名になったギタリストもいる。

我々の考える史上最高のジャズ・ギター・アルバム75枚をリスト・アップしてみた。中には聴いたことのないようなミュージシャンも含まれているかも知れないが、どれも探る価値あるものばかりだ。より深く探求出来るよう、このリストの曲の大半が入っているプレイリストも作成した。下に我々が作成したリストが、ご覧の通り1位から75位までの順ではなく(それではあまりに大変過ぎだろうから)、AからZの順に並べてある。入れ忘れているものに関する皆さんのご意見をぜひお聞かせください。

(*本記事およびリストは本国uDiscovermusicの翻訳記事です)


アル・ディ・メオラ 『Elegant Gypsy』

アラン・ホールワース 『Metal Fatigue』

アンドレアス・ヴァラディ 『Andreas Varady』

アントニオ・カルロス・ジョビン 『Wave(邦題:波)』

アントニオ・フォルチオーネ  『Ghetto Paradise』

アコースティック・アルケミー 『Red Dust and Spanish Lace』

バーニー・ケッセルwith シェリー・マン&レイ・ブラウン 『The Poll Winners』

バーニー・ケッセル 『To Swing Or Not To Swing』

ビル・フルゼール 『Have a Little Faith』

ビレリ・ラグレーン 『Standards』

チャーリー・バード 『The Guitar Artistry of Charlie Byrd』

チャーリー・クリスチャン 『Genius of the Electric Guitar』

チャーリー・ヘイデン&パット・メセニー 『Beyond The Missouri Sky(邦題:ミズーリの空高く)』

チャーリー・ハンター・トリオ 『Bing, Bing, Bing!』

ジャンゴ・ラインハルト 『Quintet du Hot Club de France(邦題:フランス・ホット・クラブ五重奏団)』

アール・クルー 『Two of a Kind』

エド・ビーカット 『Live at The Garden Party』

エディ・ラング 『Jazz Guitar Virtuoso』

エミリー・レムラー 『East To Wes』

ガボール・ザボ 『Spellbinder』

ジョージ・ベンソン 『Absolute Benson』

ジョージ・ベンソン 『Breezin’』

ジョージ・ベンソン 『Shape of Things To Come』

グラント・グリーン 『Idle Moments』

グラント・グリーン 『Matador』

ハーブ・エリス 『Nothing But The Blues』

ハーブ・エリス/ジョー・パス 『Two for the Road』

ハワード・アルデン 『Your Story, The Music of Bill Evans』

ハワード・ロバーツ 『The Velvet Groove』

ジェイムス・ヴィンセント 『Space Traveler』

ジム・ホール 『Concierto(邦題:アランフェス協奏曲)』

ジム・ホール/ビル・エヴァンス 『Intermodulation』

ジミー・レイニー 『A』

ジョアン・ジルベルト 『Voz e Violao(邦題:ジョアン声とギター)』

ジョー・パス 『For Django』

ジョー・パス 『Virtuoso』

ジョン・アバークロンビー 『Timeless』

ジョン・マクラフリン 『Extrapolation』

ジョン・スコフィールド 『A Go Go』

ジョン・スコフィールド 『Uberjam』

ジョン・スコフィールド&パット・メセニー 『I Can See Your House From Here』

ジョニー・スミス  『Moonligh in Vermont(邦題:ヴァーモントの月)』withスタン・ゲッツ

ジュリアン・レイジ・グループ 『Gladwell』

ケニー・バレル 『Asphalt Canyon Suite』

ケニー・バレル 『Midnight Blue』

カート・ローゼンウィンケル 『Deep Song』

ラリー・カールトン 『Alone/But Never Alone』

ラリー・カールトン 『Last Nite』

ラリー・コリエル(withジョン・マクラフリン) 『Spaces』

リー・リトナー 『Wes Bound』

リー・リトナー 『6 String Theory』

レニー・ブロー 『Five O’ Clock Bells』

ルイス・ボンファ 『Solo in Rio 1959』

マーティン・テイラー 『Spirit of Django』

マイク・スターン 『Standards (and Other Songs)』

ノーマン・ブラウン 『After the Storm』

パット・マルティーノ 『El Hombre』

パット・メセニー 『Bright Size Life』

パット・メセニー 『The Pat Metheny Group』

ピーター・ホワイト 『Caravan of Dreams』

フィリップ・カテリーン 『Summer Night』

ラルフ・タウナー 『Solo Concert』

ロベン・フォード 『Tiger Walk』

ロニー・ジョーダン 『The Antidote』

ローゼンバーグ・トリオ 『Caravan』

スタンリー・ジョーダン 『Stolen Moments』

スティーヴ・カーン 『The Suitcase (Live)』

タル・ファーロウ  『Tal』

タル・ファーロウ 『The Swinging Guitar of Tal Farlow(邦題:スウィンギング・ギター)』

テッド・グリーン 『Solo Guitar』

タック・アンドレス 『Reckless Precision』

ウェス・モンゴメリー 『Full House』

ウェス・モンゴメリー 『Smokin’ at the Half Note』

ウェス・モンゴメリー 『The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery』

ジミー・スミス&ウェス・モンゴメリー『Jimmy & Wes the Dynamic Duo』


  • プレイリスト『最高のジャズ・ギター・アルバム』の試聴:Spotify

 

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